昔私が製鉄会社の鋼材輸出部というところで働かせてもらっていたときのことです。朝少し早めの時間でしたが、すでに何人かが出務していました。そこへ前米国所長の新部長が初めて出社され、黙ってスッと部長席に座り、机の上にあるものを読み始めました。
私は一瞬、どうしようかなぁ、と思いました。こちらから、「おはようございます!」と挨拶をしたかったのですが、ためらってしまいました。周りにポツポツといた同僚をおいて、一人だけ目立ってしまうのに気が引けたのです。…そして誰も声をかけませんでした。
それを私は今でも後悔します。大きなミスを冒したわけでもありませんが、より良い世界を求めているはずの自分が、つまらぬことで大事な機を逸してしまったからです。
ためらわず、「自分から」「明るく」「元気よく」挨拶の言葉をかけましょう。できるだけその人の名前で呼びかけて、と提唱します。
黙っている人も元気が出ます。薄給のパートさんも力が湧きます。神様も笑顔でしょう。
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