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No.304 抗えない流れにも祈りを NIHONBASHI HOT LINE

昭和16年、官軍民各分野から超秀才たちが秘密裏に集められ、総力戦研究が行われたことがNHKで紹介されました。その研究結果として彼らは、〝対米戦での圧倒的な敗北〟を近衛首相・東條陸相に明確に上申しました。

そして、原爆投下以外のほぼ全てが開戦前、彼らが詳細に予見していた通りとなったとは驚きです。にもかかわらず、国家や軍は、勝ち目のない戦争に突き進んだのでした。

ここに「抗(あらが)えない流れ」を見ざるを得ません。そして「抗えない流れ」は、時に現代の職場や家庭や社会にも出没します。

私も会社時代、「おまえは黙ってろ」「引っ込んでろ」と強烈に抑え込まれることがしばしばあったのを思い出します。そのうちこちらの主張も色あせていくことすらありました。

そういう時に唯一できるのは「この霧中をお導きください」と祈ることだけでした。今振り返っても、そう祈り続けることが最善だったのだと思います

あの戦争の場合は、まさにおびただしい犠牲者が出ました。そういう場合は、たとえ祈っていても死もなお覚悟せざるを得ませんでした。ただ、その中にも祈りによって、部隊に一人の戦死者を出さずに戻れた教会出身の大隊長さんとか、特攻機で出撃したのに途中の事故で墜落し、助け出されたというご信者さんにお会いしたこともあります。

本人も後方の家族も必死に祈ってきた中での結果でした。

大きな目で見るならば、とどめようもなく悲惨極まりない時代の「抗えない流れ」の末に訪れた戦争終結や戦後続いている戦争のない世の中も、人々の祈りの中から実現してきたものとも言えるでしょう。

私の会社時代には、大きな犠牲が生じるに寸前に助かった!ということがいろいろありました。その一つは、社長以下幹部が無謀な国際プロジェクトにまい進していた時、阻止しようにも口をはさめなかった時のことです。祈ることしかできず、一人で祈り続けていた中で、プロジェクトは膠着状態となり、第三者側の事情からプロジェクトが継続できなくなりました。これで会社の大損失を回避することができた!と胸を撫でおろしました。

あるいは複数の協力会社との関係を「合理化せよ」との命を受けたこともありました。提携先を減らして利益を上げよ、という使命だったのです。しかし、そこに働く人のことを思うととても苦しい思いにさいなまれました。これも祈り続けていく中で、幹部たちの間では、提携先をしぼるまでには手をつけないという案が採用され、信じられないことが起きた!とびっくりしたことがありました。

世の中では残念ながら、「抗えない流れ」に巻き込まれ、翻弄され続けることもあります。まずそういう流れを作らない努力をしていくことが、平素から為すべき極めて重要な事柄です。それでも、いつの間にかそういう場に組み込まれる時もあるのです。

今回のNHKスペシャルを見て、そういう時にこそ、神様のお導きを願う祈りを実践し、続けていくことの大切さを改めて思わされました。金光様の御教えには、そのための数々のお言葉が残されています。それがまた、たいへん貴重なお導きだと思います。

今、「祈りとは最後の手段ではなく、最高の手段なのだ」とおっしゃった先師の言葉も思い出します。 畑 淳

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